〒カワチ日手紙〒- 外 -

「あえて」以降の、生きる仕方の試みの記録。「父」像、「家族」像への試み。文中に出てくるCは妻で、五部林は息子です。

名前を呼び捨てで呼ばれること

 昨夜(ゆうべ)は、日手紙書いて、「hulu」で「LOST」のシーズン6の第十三話を十分ほど見たところで眠さ限界。二時前に就寝。

 今朝、八時半すぎ、Cに起こされ、五部林に飛び乗られ、起床。「タバコくさい、タバコくさい」と、窓を開けられ、消臭剤を降りまかれ、消臭剤の小さな霧粒を、頭の上からかぶる。寝坊したことを少し怒っているみたいだった。二日目のぎょう虫検査はしなかったみたい。
 久しぶりに、Yシャツにアイロンをかけて、バナナ一本だけ食べて、すぐに外出。昨日の雨とは打って変わっての晴れた、暑い陽射し。
 きょうは、マンションの管理組合の「定期総会」だった。去年、初めてこの「定期総会」に出席し、そこで理事長から声をかけられ、理事になったので、役員としての出席は初めて。きょうは、また「だんじり祭り」の日でもあり、会場の市民会館に向かう途中、南十番のだんじりに遭遇。

 十時、開会。
 住民側の出席者は十五名ほどだったか(去年も出席していた人がほとんど。聞くと、ほとんど同じ人たちしか出席しない、ということだった)。管理組合役員側は二十名弱、そして、管理業務を委託しているS社の方が三名ほど。住民側の委任状が六百五十通ほど。
 前期の業務報告及び決算、管理委託契約の更新、管理費繰越剰余金の修繕費への振替え、今期の事業計画及び予算、今期の管理組合役員候補選任が、きょうの議案だったわけだけれど、住民側の人々からは、建設的な意見というよりは、むしろ「苦情」といった方がいいような発言がほとんどで、少しさみしくなった。
 ぼくの住むマンションは、四棟あり、全部で九百七十三世帯が暮らしている。仮に、一世帯三人として計算すると、約三千人もの人々が住んでいることになり「小さな村」ぐらいの規模はある。管理組合が管理している金額ももちろん億単位。その、三千人もの住民がいるなかで、住民(管理組合の役員ももちろん住民なので含めると)三十人、つまり百分の一の人しか出席しない定期総会って、なんだろう? とは思うものの、もちろん、三千人も出席されると、会場はもちろん、そこで出た意見を集約するのはぜったいに無理で、いろいろと難しいとは思うし、だからこそ、日常的には、(ぼくも含めて)二十二名の理事と二名の監事(そのうちつねに毎月の理事会に出席するのは二十名に届かないほど)が、細かいことを決めて行くわけだけど、ただ、本来的な「仕事」といえるものではなく、一手に引き受けてくれてるのはS理事長(と管理業務委託会社の人)ただ一人だと言っても過言ではなく、ぼくらはS理事長が提案してきた案に対して、いくらか質問したり、変更をお願いしたりする場合もあるけれど、ほぼ「追認」してるだけと言ってもいい。ほんとにS理事長という人はすごい人だなと思う。
 けれど、ぼくは、一年前までのぼくがそうであったように、約三千人の住民のほとんどは、管理組合、理事(会)という存在すら知らないと思う。理事長が、無償で毎日汗をながしていることも、毎月一、二度理事が集まっていることも、夏祭り、運動会、文化祭、餅つき大会など、理事は地域の自治会役員もほぼ兼ねていて、それらの行事前になると、準備のために、ほとんどの土日が潰れてしまうということも、たぶん、誰も知らない。管理組合の活動、理事会の活動を、もっとオープンにする必要はあると思っていて、たぶん、もしぼくがこの管理組合でできる仕事とすれば、それなのかな、とは思う。

 十三時前、閉会。
 昼食を役員みんなで「追立」に食べに行く。席に座った途端、灰皿に昆虫(ゴ○ブリ)を発見。メニューで蓋をして、店員さんに届けるも、とくに慌てた様子もなく。よくあることなのか。同じ席に座った人たちがそうなのか、オトナの男性、というのはそういうものなのか、よくわからないけど、ゴルフの話で盛り上がっていき、ぼくはまったくわからないので、ものすごく初歩的な質問などをしたりしてたけど、楽しかった
 ほとんどの役員の人が、マンションが建った当時から住んでいて、役員もやっているので、二十五年ほどになり、年齢的にも六~七十代。ぼくは、理事歴も、年齢的にももちろん一番下っ端で、当初は、ほんとに何も教えてもらえない(ほとんどの人がずっと役員をしているから、新任に「教える」という作業を忘れているのだと思う)ので、戸惑うことも多かったけれど、丸一年間経験したので、少し流れは見えてきたように思う。
 定期総会のなかでも、住民側から「もう少し管理組合の役員に新しい風を吹かせて(『若者』を増やして)はどうか」という意見があったので、Tさんからは「○○(ぼくの名前。ぼくは、なぜか年上の男の人から呼ばれるときは、姓ではなく名前を呼び捨てで呼ばれることが多い)! おまえに期待してるからな! どんどん鍛えていくからな!」と冗談交じりで言われたけれど、ぼくも、今の役員さんを変える必要はないにしても、もう少し若い人、そして女性(現在は三名しかいない)を管理組合の活動に巻き込んでいくことは必要で、たぶん、さっきの「情報公開」みたいなことをすれば、何人かは興味を持ってくれる人がいるんじゃないかとも思っている。

 十五時頃、帰宅。
 五部林は眠っており、Cはお風呂掃除。ぼくも、眠かったので、五部林の横で眠る。
 十八時頃、Cから起こされ、五部林から布団を剥がされたので起きて、三人で夕食。
 食卓には、母の日の花が飾ってあり、「あぁ、これなんだな」と思う。Cに向けてドラセナ・パープルコンパクタを五月十日指定で贈っていたのだけど、昨日になっても届かないので、無印良品のネットストアにメールで問い合わせていたら、きょう、「配送処理をしていなかった。母の日のプレゼントということなのに、大変申し訳ないので、お詫びの品を必ず今日中にお送りさせてもらうがそれで許していただけるか」という内容の電話がかかってきていたので、商品はたぶんこれだと思うのだけど、Cにそのことを伝えると、「あぁ、やっぱりそういう事情があったんやね。宅配業者じゃない人が、やってきて、伝票もなく、メールを印刷したような紙にハンコを押してくださいって言われて、なんか変やな、って思っててん」と言っていた。
 五部林は、昨日に引き続き「プラレール S-59 京阪特急8000系(特急)」に心を奪われており、食事もままならない様子。席に座っても、プラレールが気になって仕方ないようだった。結局、食卓にプラレールを乗せたり、諦めて遊ばせようとしたりしても、食事ももちろん気になっているから、Cの膝の上で食べたり、食べたと思ったら、また遊びに行ったりを繰り返していた。
 昼間はCと五部林で守口市駅までだんじり祭りを見に行ったり、そこの露店でいろいろと食べたり、その後、マックスバリュ(太子橋店)で買い物したら、いろんな(余計な)ものを五部林がカゴに入れてきて大変だったとか、帰宅して、Cが料理本を眺めていたら、五部林が料理写真に手を伸ばして、それを「パクパク」していたとか、微笑ましい話を聞く。

プラレール S-59 京阪特急8000系(特急)

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 十九時すぎ、集会所へ。
 午前中の定期総会で前期が終了したと思ったら、その夜から今期の理事会。役員候補選任の議案が(ぼくも含めて)承認されたこともあって、理事長、支部総長(棟長)、会計などなどの担当決め。棟長にひとり変更があった以外は、前期とおりの人選で。
 その後、新任の役員さん二人のあいさつ。せっかくだから、ということで、出席理事・監事の自己紹介をすることに。ずっと言おう、言おうと思っていて、タイミングがなく理事のみなさんに告げられていなかったのだけど、ぼくが、夏に仕事を辞めて「主夫」をしていることを伝える。「平日も、動けることがあると思うので、お気軽に声をかけてください」と挨拶すると、「今、理事長の目がキラリと光ったで!」とKさんが言い、会場が笑う。そっか、そういうことになるかもと思うと、少し恐ろしい。
 それから、消費税増税を控え、その前にとりかかる必要がある改修工事の議案。建設から二十五年も経つと、いろんなところの改修、修繕がかかるみたい。
 二十一時すぎ、理事会終了。帰宅すると、Cも五部林も和室で眠っていた。