〒カワチ日手紙〒- 外 -

「あえて」以降の、生きる仕方の試みの記録。「父」像、「家族」像への試み。文中に出てくるCは妻で、五部林は息子です。

二人目

 昨夜(ゆうべ)、日手紙書いて、「hulu」で「LOST」のシーズン6の第十二話を見る。残すところ、あと五話。ここまできたら、もう最後まで見るしかない。

 少し朝寝坊して、十時前起床。予報通り、雨。
 きょうは、予定では、五部林と同じぐらいの月齢の子どもを持つご近所さん(十家族・総勢二十五名)と淀川河川敷で、ぼくが企画したGWB(ご近所ワイワイバーベキュー大会)を開催予定だったのだが、やはり、延期(来週十八日)して良かった。
 朝、昨日、保育所からもらってきた「ぎょう虫検査」のシールを五部林のお尻にペタペタとやって、すごく嫌がったらしい。「ぎょう虫検査」、大人になって、というか、中学卒業後していないと思うけど、大人はやらなくていいのだろうか。
 目覚めると、FちゃんからiPhoneにメールが届いていた。GWBが中止になって、来週もすでに予定が入っているというFちゃん・Yちゃん母子と「はなや」に昼食に行こうと、昨夜、決めたのだけど、「体調が悪く行けない」との用件。「了解です。お大事にね」と返信し、「はなや」に電話して、キャンセル。
 Cが五部林とベランダで洗濯物を干している間に、きょうは、古紙回収の日だったので、長シャツにトレパンという起きたままの姿で階下に古新聞と段ボールなどを下ろす。
 十一時すぎ、トレーニングパンツから紙オムツに五部林を着替えさせ、五部林がどうしてもベビーカーで行きたいときかないので、ベビーカーにレインカバーをして、出かける。雨は一時的に止んでおり、車で行こうと思って駐車場まで歩いたが、近いので、そのままお店まで歩いて行くことにする。ベビーカーにレインカバーをして出かけたことがほとんどなかったので、カバーのなかで発せられる五部林の声がくぐもって聞こえるのが笑えた。

コンビ F2 AB-240用 ベビーカー専用レインカバー

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  • 発売日: 2012/01/25
  • メディア: Baby Product

 「はなや」は、とてもゆったりとしたお店、というより、「誰かの家」という感じで、ランチ営業は予約者のみで、きょうは、ぼくら三人だけだった。子連れ用の広い部屋も用意されており、経営者の子どもさんの物だ(った)という電車やバスのおもちゃにさっそく五部林は目が釘付け。
 ランチは千五百円のメニューのみで、どんな料理だろうと思っていたけど、和食で天ぷら、デザート、食後のコーヒーまでついていて充分だった。おもちゃに夢中だった五部林は、いつもなら、もっと食事に対する欲がすごいのに、きょうはそれほどでもなく、ぼくもCも、五部林と外食に出かけてこんなにもゆったりと食事できたのは初めてじゃないだろうか、と、言い合いながら、ゆっくり食事した。


 来月に「パパの密談会2nd」と題する、父親だけの飲み会を企画しており、すでに十名ほどが参加すると言ってくれているのだけど、お店を決めていなかったので、この「はなや」でいい、四十名ぐらいまでの宴会なら対応してくれるらしいし、「密談会」は多くて十五名ぐらいなので、充分だと思い、お店の人に言って、とりあえず、仮予約をしておいた。

 ストレートパーマをかけに鶴見区の美容院(wiLL)まで車で出かけるCと別れて、ぼくと五部林は、五部林にトミカを買ってあげようと、京阪百貨店(守口店)に行き、六階のおもちゃ売場へ。
 おもちゃ売場へ行くと、プラレールが展示されており、五部林は大興奮。三、四十分ぐらい、プラレールで遊んだ後、五部林に「何か、おもちゃ買ってあげるで。何がいい?」と訊いても、ウロウロとするばかりであり、トミカにはさほど興味を示さなかったので、プラレールを買ってあげようと思い、結局、「プラレール S-59 京阪特急8000系(特急)」にした。千円分の金券があったので、「トミカなら、二台は買える」と思って来たけど、結局、千七百円だったので、七百円、余計に払うことになった。

プラレール S-59 京阪特急8000系(特急)

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  • 発売日: 2008/12/27
  • メディア: おもちゃ&ホビー

 その後、「少しだけ、見させて」と五部林にお願いし、七階の旭屋書店へ。
 まず、文芸誌のチェックをしに雑誌の棚へ行くと、五部林が平積みしてあった『ローカル線夏の旅 2013』を指さし、「デンチャ、デンチャ」と大声で叫ぶので、とりあえず持たせて、そして「『文学界 2013年 06月号 [雑誌]』は、へー、やっぱり村上春樹特集か、内田樹さんの文章は気になるな」とか「いつも『文藝 2013年 05月号 [雑誌]』は気になるけど、舞城王太郎特集には、惹かれないなー」などと思ってたら、ビリビリビリーッっていう音が聞こえて、五部林の方を見ると、予想通り、雑誌の表紙を破ってた。ま、ぼく自身も読みたいジャンルの本ではあったので、買うことに抵抗はなかったけど、これが、他のトランジスタラジオがどうの、とか、茶道の雑誌とかだったら、書店員の人にちょっと相談したかもしれない。

文学界 2013年 06月号 [雑誌]

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  • 発売日: 2013/05/07
  • メディア: 雑誌

 破ったことを叱って、五部林から雑誌を取り上げると、大泣きしたので、あまりゆっくりとは見られなかったけど、気になったのは、『kotoba (コトバ) 2013年 04月号 [雑誌]』、佐藤多佳子第二音楽室 (文春文庫)』(元・吹奏楽部員としては、音楽室の、なんか、そういう「淫靡」な感じがわかる)、宮藤官九郎いまなんつった? (文春文庫)』(クドカンっていう人、一時期、もう騒がれなくなったな、とか思ってたけど、「あまちゃん」もそうだけど、やはりすごいね、とりあえず、気になる「じぇ」!)、山田太一飛ぶ夢をしばらく見ない (小学館文庫)』[解説:角田光代]、『冬の蜃気楼 (小学館文庫)』[解説:道尾秀介](もちろん、新潮文庫版のは持ってるのだけど、六月に刊行される『終りに見た街 (小学館文庫)』[解説:奥田英朗]と、小学館文庫で三冊が再文庫化。『冬の蜃気楼』は「今回の再文庫化にあたって、著者による大幅な加筆訂正がほどこされた」とあり。なぜか直木賞面々が解説なのも気になる)、浅羽通明ナショナリズム: 名著でたどる日本思想入門 (ちくま文庫)』(つい最近、Aくんと「浅羽通明って今、何してるんだっけ?」とかメールしてたので、とりあえず)など。
 『ソーシャルデザイン (アイデアインク)』の内容を少し見たくて探したけれど、新書の棚には見つけられず。
 レジに向かい、表紙の破れた『ローカル線夏の旅 2013』を見て、店員さんが驚いていたので「申し訳ありません。息子が破いてしまったので、買います」と言うと、笑っていた。

kotoba (コトバ) 2013年 04月号 [雑誌]

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  • 発売日: 2013/03/06
  • メディア: 雑誌
第二音楽室 (文春文庫)

第二音楽室 (文春文庫)

いまなんつった? (文春文庫)

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飛ぶ夢をしばらく見ない (小学館文庫)

飛ぶ夢をしばらく見ない (小学館文庫)

冬の蜃気楼 (小学館文庫)

冬の蜃気楼 (小学館文庫)

終りに見た街 (小学館文庫)

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ソーシャルデザイン (アイデアインク)

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  • 発売日: 2012/01/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 その後、雨が本降りになるなか、ベビーカーを押しながら、傘をさしながら、歩く。片手でベビーカーを押すのは、ほんとうに力がいる。歩道が平らでないからだ。両手でも、ひどいところではどんどん片側に追いやれていくので、一方の手に力を入れて、バランスをとらなければならない。それが片手だと、ほんとうにしんどい。
 ローソン(守口駅前店)に寄って、缶コーヒーと(すでに買ってはならない)タバコを買ってしまってから、Pontaポイントを付け忘れていた店員さんに少し腹立ちを感じ、その後、守口市立中央公民館へ。子育てイベントや、その他、行政イベントなどのチラシをチェック。「まみたん」もゲット。五部林が保育所へ通い出してからというもの、子育てイベントのチェックもしなくなったけれど、行けるものは行きたいし、どのようなイベントが開催されているのかは気になる。
 公民館の「あそぼう広場ニュース」(二〇一二年十二月二十日発行号)に、ぼくと五部林が掲載されていたことに、今更気づく。体育館でのイベントに参加したときの模様だ。それから、五月十九日(日)午後に守口市立中央公民館で松本大学白戸洋教授による「公民館で地域がよみがえる」と題された講演・分科会が開かれるのが気になった。分科会には「男の出番をつくる会」(和歌山県海南市)の報告も聞けるようで、ぼくのこれからのことに参考になるかも、と。
 そんなチラシを眺めていた後、ベビーカーのなかを覗いたら、五部林は寝ていた。

http://instagram.com/p/ZKQgN-PXp9/

 十五時前、帰宅。
 五部林を布団に寝かせて、買ってきた「プラレール S-59 京阪特急8000系(特急)」を開けて、しばし、ぼくひとりで眺める。
 その後、別室に行き、PCを立ち上げて、風疹情報、facebookなどチェック。facebookで連絡のやりとりをしている「パパの密談会2nd」のイベントページに、「場所は『はなや』に決めようと思います」とコメントを残す。
 gmailでメールをチェックしていたら、イオンモール大日からまったく別の件でDMが届いていて、何気なくリンクをクリックしてみて、イオンモール大日のHPを見てみると、「母の日メッセージ企画/『拝啓 お母さん』⇒たくさんのご応募ありがとうございました」という文字が見えて、そういえば、少し前にこの企画に応募したことを思い出し、そのページを見てみると、なんと、ぼくのメッセージが掲載されており、五月一日から十二日(明日)まで、大阪モノレールの車内広告になっているということ。びっくりしたし、恥ずかしかった。でも、母の日に、何も贈る相手がいない、というのは、さみしい。もちろん、Cのお義母さんには花(クレマチスの鉢植え)を贈ったし(昨日、届いたというメールがあった)、C自身も母親なので、ドラセナ・パープルコンパクタを(内緒で)贈って、ほんとは昨日届くように指定したはずなのに、きょうもまだ届いていない。

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 十七時前、五部林の泣いた声が聞こえたので、急いで和室まで戻って、オムツをトレーニングパンツに換えたり、抱き上げてあやしたりしていると、机の上に置いてある「プラレール S-59 京阪特急8000系(特急)」に気づき、ニコニコーッと、なんともいえない笑顔を見せ、駆け寄って、さっそく遊び出したので、夕食の支度にとりかかる。
 午前中、Cのお義母さんから、畑で獲れた野菜(絹さや、アスパラ、イチゴなど)が届いており、冷蔵庫にかぼちゃもあったので、かぼちゃと絹さやを煮てみることにした。あとは、塩鮭を焼いて、ほうれん草を湯がいて、味噌汁。五部林が、我慢できずに「マンマー、マンマー」と大泣きするので、十七時半すぎに夕食開始。遊んでいたプラレールと、食欲のどちらを選択するべきかを決めきれなかった五部林は、結局、ぼくの提案した、食卓の上にプラレールを置いて眺めながら食事する(ただし、遊ばない)という妥協案で納得したようだった。
 昼食は遊びすぎてあまり食べなかったから、五部林は、夕食はかなり食べた。食事後、イチゴも十個ぐらい食べた。イチゴの「ヘタ」をうまくとれるようになっていた。もずっとプラレールで遊び、十九時前、C帰宅。ストレートパーマをあてたCは、スットントンの髪になっており、「ドングリ頭」と呼んだら怒ってた。
 それから、三人でワイワイ言いながら過ごす。ワイワイ言いながら、ふと「あ、あれするの忘れてる!」と思ったのは、先日、モニターに当選した絵本コミュニティ「ミーテ」の「やってミーテモニター」の日記登録で、あわてて要綱を読んで、二十四日までに十回以上読み聞かせして日記を書かないといけないらしく、あわてて、とよたかずひこでんしゃにのって (うららちゃんののりものえほん)』を持ってきて、五部林に読んであげる。いつもは、「車内」しか出てこないこの作品をあまり好まない五部林も、きょうは、なぜかとても気に入って、「切符」を落としたうららちゃんに「キップー!」と叫んであげるほどの入れ込みようだった。

 その後、Cと五部林はお風呂へ。ぼくは「ミーテ」の日記を書く。
 お風呂から上がった五部林がCが寝かしつけようとしても、なかなか寝付かず、布団を出てぼくのいる別室まで何度も来たので、ぼくも手を休めて、いっしょに布団まで行く。「プラレール S-59 京阪特急8000系(特急)」で遊びたくて仕方ないようで、でも、眠い、そのまた欲望の狭間で五部林は悩んでいるようで、結局、手に車両を握りしめたまま、二十一時すぎに眠る。

 明日は、朝から、マンションの管理組合の定期総会。その後、茶話会ということで、「追立」で昼食の予定。さらに夜も理事会。丸一日。

 最近、五部林と同じぐらいの月齢の子どもを持つ親たちから、次々に「二人目ができた」という報告やら噂やらを耳にする。(当たり前だけど)みんな、とくに何も言わないけど「やること」はやってるんだな、とか思ったり、計画的だな(ちょうど、上の子と二才離れることになる)とか思ったり。ぼくは、金銭的、というか、ぼくの「立つ位置」がまだまだ定まりそうにないので「二人目」とか、考えることはできないし、これ以上、子育てに振り回されるのかと思うと寒気がする。でも、もちろん、欲しくないわけではない。なんにも付随することがなければ、二人でも、三人でも子どもがいれば楽しいかもしれない。
 Cに「ひとりっ子でもええやん、別に」(ぼくがひとりっ子だし)というと、彼女は「ろくな大人にならん」と言って「誰のことや?」と訊くと「イヒヒ」と笑った。ただ、ぼくがタバコを止めない限り「やること」はしたくないみたい。実は、きょうも五本ほど吸った。とくに、日手紙を書くときは、どうしても欲しくなる。