〒カワチ日手紙〒- 外 -

「あえて」以降の、生きる仕方の試みの記録。「父」像、「家族」像への試み。文中に出てくるCは妻で、五部林は息子です。

「メタ」←→「ベタ」

 昨日の日手紙(参照)でも書いた、先週末(二十四日)スタッフとして参加させてもらった、子どもの幸せプロジェクト「お父さんリーダー養成講座」@ひと・まち交流館 京都のイベントでは、京都府内ですでに父親(育児)支援活動をされているグループの方々が参加されていたのだが、ぼくが「ファシリテーター」をさせてもらっていたのは、「ライト参加」と呼ばれる、まだ父親支援についての明確なビジョンや組織をつくっていない、もしくは、組織はつくられたものの、なかなか人(父親)が集まらないグループで、ぼくをそのグループに配置してもらったことは、幸運だった。
 昨日、ぼくは、「ほんとうに必要な父親の育児支援、父親支援とは何か?」ということについて少し書いたけど、もちろん子育て支援同様、父親の育児支援にも、さまざまなバリエーションがあった方が良いに決まってるのだけど、先週末のそのイベントにおいて、「ライト参加」の方々と話すなかで、ぼくの目指す、父親支援とは、「父親の保健室」的活動なのだとじぶんで気づいた。
 「父親の保健室」的活動とは、簡単にいえば、「お父さん、がんばるぞー!」「お父さん、ニコニコするぞー!」に付いていけない・いきたくない、でも何か子どもため、妻(子どもの母)のため、行動はしたいと思っている父親のための居場所、というものだ。教室でも、校庭でも、もちろん放課後の部活でもない、保健室担当。
 先週末のイベントがあまりに楽しい時間だったので、当初、参加するつもりはなかったのだけど、今週末(九月一日)の大阪会場にもスタッフとして参加させてもらうことにした。

平成サブカルお母さん考 ~わかるヤツだけわかればいい~ : MAMApicks -子育て・育児・教育ニュース&コラムサイト-

 昨日、読んだ、右のコラムが、なんだかずっと忘れられない。
 もちろん、「未来に光あれ!」と筆者(ワシノミカさん)に応援されている対象は、「サブカルお母さん」だけじゃなく「サブカルお父さん」も内包されていると思うのだけど、一九七六年生まれの筆者が、自分史を語りながら、「もはや90年代の『あのころ』の象徴とも言える、『今夜はブギー・バック*1」の歌を芯として、渋谷直角カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』、槙田雄司(マキタスポーツ)『一億総ツッコミ時代 (星海社新書)』などにも触れつつ、「サブカル世代が親になる経験」を語る。
 ぼく自身は、じぶんが「サブカル世代」だと意識したことはあまりない。むしろ、『今夜はブギーバック』にさえ、ノれなかった。友人がカラオケでその歌を唄っているのを羨ましく思いながら、当時は、寺山修司に傾倒していた。小沢健二をきちんと聴けたのは、二十五才(一九九九年)だった。リアルタイムで彼の歌を聴いていなかったことを激しく後悔していたけど、それが、ぼくだ。
 だから、ほんとは、このコラムで筆者が書く、サブカル世代が親として生きていくための「処方箋」がきちんとぼく自身に効くのかどうかはわからない。でも、ここで書かれていることは、現在、結婚し、子をもつことになっている七〇年代生まれの誰もに、少しだけ「ある光」を射してくれるように思う。


小沢健二 今夜はブギーバックLIVEバージョン(ラブリーB面) - YouTube


小沢健二 今夜はブギーバック/あの大きな心(アルバム「Electic」Ver.) - YouTube

一億総ツッコミ時代 (星海社新書)

一億総ツッコミ時代 (星海社新書)

 筆者は、Eテレで放映中の『ムジカ・ピッコリーノ』の放送中、Twitterのタイムラインに「サブカルお母さん」というフレーズを見つける。そして、

サブカル少女」は、大人になったら卒業しなきゃいけないものだと思っていたのだが、その先のキャリアパスとして、「サブカルお母さん」という枠が実は存在していた、という発見。これは、非常に大きい。

 筆者によると、槙田雄司は『一億総ツッコミ時代』のなかで、

俯瞰の視点からの“他人事”なツッコミを「メタ」、結婚や子どもを持つという“自分事”な行為を「ベタ」と定義し、ベタなことはやってみるとしんどいし、大変だけど、面白い……と主張する、「一億総ツッコミ時代」。

槙田氏が提唱していたのは、
<子どもという理不尽な存在に対しては「受け入れる」。大人が「子どもカメラ」を装着して世界をともに見ると非日常が見える。面倒なものも一旦自分の中に取り込んで面白がる>

 と、述べているらしい。これって、ぼくが、三〇代をともに過ごし、それを乗り越えなければならない、そうでなければ、思考停止に陥ると危惧した「『あえて』というツール」(参照)と同意のような気もするけれど、でも、結局、そのことに気づいた年始から、『あえて』何かをすることは少なくなったかといえば、そうとは言えない。ファザーリングジャパン関西(FJK)に入会した*2のだって、七月から通い始めた不登校の子どもたちを支援するボランティアだって、『あえて』といえば『あえて』始めたことだ。そもそも、ぼくは、絶望しているので(最近、樋口毅宏タモリ論 (新潮新書)』読んで、そう再認識した)、『あえて』と思わないと、何も始められないのも事実。思考停止と行動停止、でも、それって、要は、バランスなのかもしれないと、昨日、このコラムを読んで、そう思った。

ベタなことをベタに楽しめたほうが人生は楽しいのかもしれない。

わかってはいるけれど、人生のうち“斜に構えた時間”が長すぎて、どうしても「メタ」から「ベタ」におりられない。

いや、無理して取り繕うこともない。
陰と陽を両手に抱え、「メタ」と「ベタ」を自由自在に行き来したらいい。

 そのバランスとは、「陰と陽を両手に抱え、『メタ』と『ベタ』を自由自在に行き来したらいい」ということだ。
 「ママ友とリアルでどうこうする(ベタ)」を恐れていた筆者に、彼女の友人が言ったことばがすばらしい。

「もし、トークが弾むようなママさんと出会えたら、そのときは『ママ友』じゃなくて『友だち』になればいいのよ」

タモリ論 (新潮新書)

タモリ論 (新潮新書)

 ちなみに、ぼくが好きな小沢くんの歌は「天気読み」と「天使たちのシーン」、フリッパーズギターでは、「Colour Field 青春はいちどだけ」です。


【PV】 小沢健二 天気読み - YouTube

LIFE

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  • アーティスト:小沢健二
  • 発売日: 1994/08/31
  • メディア: CD
dogs

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  • アーティスト:小沢健二
  • 発売日: 1997/07/24
  • メディア: CD
CAMERA TALK

CAMERA TALK

 きょうも、息子・五部林は、電車のDVD(ものしり鉄道図鑑 近畿 3)に夢中。
 食事もままらないぐらい。ちょっと「鉄育」しすぎたかもしれない、と反省。

ものしり鉄道図鑑 近畿 3 MTD-260 [DVD]

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  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: DVD


*1:「今年、その小沢健二、BOSE両名が同時期にパパになっている

*2:そのときのことは昨日の日手紙参照 http://sube.hateblo.jp/entry/2013/08/27/002148